車にひかれた時の話
高校生の時家の前で車にひかれた。自分が自転車で車道に飛び出したからだ。その時は、朝高校に遅刻しそうで急いでいたかもしれない。頭を打ったようで、ぶつかる前までの記憶とその後歩道で転がっていて気づいた記憶はある。車に接触した時の記憶だけない。両親と弟は家の中にいて、どんとぶつかる音がしたそうだ。私にはそこの記憶がない。
車が普通に車道を走ってきて、私は車を横切るように自転車に乗って飛び出した形になる。その時考えたこと「え？？何私死んじゃうの？？この距離じゃもうよけられないよ。どうしたら一番被害少なくて済む？走ってくる車に自転車の前輪を当てれば一番被害少なくて済むかも、体に車が直接当たらないようにと思い、自転車の向きを変える。」で、このあと真っ白の光しか見えなくなり、宙に浮いている感覚を感じ、反射的にあごをひいて、体を丸めた。これは、当時機械体操部でちょうど宙返りの練習をしていて、宙に浮いたらすぐに頭を入れて体を丸めるという練習をしていてそれが役立ったと思う。気づいたら、歩道で背中を下にして丸まって転がっていた。冬で厚いコートを着ていたのも、クッションになってラッキーだった。すぐに両親が家から出てきて、父親は運転手さんに「何してくれんだよ」と怒鳴っていた。あとから母親に「本当はあなたが飛び出したのが悪いのにお父さん怒鳴っちゃったね」と言われた。お父さんが怒鳴るのを聞いて私も「大丈夫だよ大丈夫だよ」と言って必死でとめた。私の記憶がないのはぶつかった瞬間のみなのだ。そして、頭にたんこぶができていることに気づいた。
母は一応と言って救急車を呼んでくれた。脳のレントゲンをとったが以上なしと言われた。これが一番安心するよね☺️ その後46歳の現在まで何事もない。
あとから母から聞いたけど、自転車はもうぐちゃぐちゃで乗れなく、相手の車のフロントガラスはバキバキに割れていたそうだ。
私は、運転手さんから新しい自転車をもらって、事故の翌日からその自転車に乗って高校へ通った。友達に話したら不死身だと言われた。
火事場の馬鹿力だと思うのは、車に気づいてぶつかるまでの短い時間にいろいろ考えていたこと。私こんなに頭よかったっけ？？っていうくらい。時間の流れがゆっくりになったのか脳が高速回転したのか？
自転車だけがぐちゃぐちゃになって、自分はちょうど縁石の向こうの歩道に飛ばされ、背中から落ちたのもよかった。頭のたんこぶ以外ケガ等もなかったのだ。
振り返ると本当に不思議な体験だと思う。
